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颯太はゆっくりと剣の傍まで来ると、その目の前に座りこんだ。
改めて、その姿を見やる。
両刃の剣。なんという種類かはわからないが、相当な業物なのだろうなと思う。
自然にさらされていたにしては錆もなく、その刀身に座りこむ颯太の姿が映り込むほど。
「…ほんと、綺麗だなぁ…」
ほぅっと息を吐いて、んーっと背伸びをする。
「ここはなんなんだろうな…凄く落ち着くし…癒されるっていうのかな、こういうの」
辺りを見ても、先ほどまで自分がいた森と、同じ場所であるという感じがしない。
「まぁ、ここで一休みってのもありだよな…疲れたし…」
そう言って、颯太はゴロリと横になった。
さわさわと、葉が揺れる音が心地いい。
目を閉じれば、森に包まれたような錯覚を覚える。
さわさわ
さわさわ
「御寛ぎの所、失礼」
「っ!?」
小さな声が響いたのは、そんな時だった。
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