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ハア、ハァ、ハァ…
苦しい…。
体を真っ二つに切られたような激痛と、肺が小さくなっていく気がする。
痛い。
華月があたしを心配してる。
これ以上心配させたくないのに…。
そんな事を思いながらも、呼吸は早くなる。
華月が何かを決意したような顔つきで部屋からスッと消えた。
華月!?
たぶん、いなかった時間はほんの数秒だったと思う。
でも、あたしには何時間にも感じられた。
意識が朦朧(モウロウ)とする中、華月が帰ってきたのにも気付かないで「かーくん」と何度も言いながら苦しんでいた。
「星華、落ち着いて。
俺はここにいるから。」
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