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ちょっと、急がなきゃいけないかなぁ。
そう思いながら、屋根の上を飛び越える。
忍者のコスチュームに似た、代々伝わる制服が暗い夜空と一緒になってあたしの姿を隠してくれる。
猫のように軽々と飛び移りながらも、あたしの頭の中では、今日の夕方の出来事を思い出す。
学校帰りに肩を叩かれ、振り向くときれいな顔をした青年が、笑っていた。
あたしが落とした落とし物を拾ってくれたらしい。
めったに物を落としたりしないのになぁ。
そんなことを思いながら、ありがと とお礼をいう。
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