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僕はきょろきょろと声の主を探した。
「治そっちにはいないわ。前を見て」
僕はサボテンに言われたとおり、前を見た。
目の前にはサボテンがある。
まさかサボテンが喋るわけがない。
でも前にはサボテンしかない。
「お前が紗香なのか?」
「そうよ。私が紗香」
サボテンが言った。
僕はサボテンが喋ったことより、紗香がサボテンになったことにびっくりした。
「なんでサボテンになっているんだ?」
「私はサボテン病という病気だったの。その病気は急にサボテンになってしまうの。だから私はサボテンなの」
紗香は答えた。
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