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少女は続けた。
「…もう嫌なんです。生きてたくないんです。でも自殺なんて、できないし…」
今までの消え入りそうな声とは、反対にその声はハッキリとしていた。
「で、僕に存在を奪って欲しいと。でも存在を奪う事と、死ぬ事は違うんだけど?」
気怠そうな声で、鏡の化身は尋ねた。
「この世界から居なくなれるなら、何でも良いんです。…生きてたって……」
涙を浮かべ俯く少女に向かって、化身は少し強い口調で言い放った。
「バカか、君は?何で消える事を望むんだよ?せっかく生きて、動いていられるのに!!」
少女は強く化身を睨みつけ
「貴方は知らないから…知らないからそんな事が言えるのよ。無関心に扱われる事がどんなに恐ろしい事か。…誰も私を見てくれない。いっそ嫌って蔑んで苦しめてくれた方がどれだけ楽か…」
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