ニャア

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お前を待ってて、気付いたらもう10年以上たつんだね。 お前は姉貴の友達で、俺は姉貴に言われてお前を姉貴の家まで連れて行く。 それだけの電話だった。だけど、1時間以上も話したね。 当日も片道1時間楽しかった。 俺、彼女居たんだよね。デモお前の事好きになっちゃってさ、すぐに別れたんだ。 出会ってから1年以上も、口実作って一緒に出掛けた。 俺、一人がデートのツモり…お前にとって俺は、友達の弟で、マッサージしてくれる人って感じかな。 ただ、一緒にいれたらよかったんだよね。 お前には新潟に彼氏がいてさ。お前は結婚するツモりだったのに奴にはその気が無くて、お前はリアルな現実に背中を向けて見えないフリしてさ。 それにストーカーはせめて生身の人間にして欲しい。幽霊はカンベンしてくれよ。お前、霊感強すぎるってば。 あの日、夜の晴海で終わりにするツモりだった。 お前は海を見ながら、涙ぐんでいて、キツかったよ。此処は新潟じゃない。奴は居ないんだよ! ベンチに行ってマッサージ始めても、まだ泣きそうで… 【貴女が何処にいるか思い出させてアゲル】ってキスしたんだよ。 マッサージだと思って素直に眼を閉じてたよね。 ごめんね。 お前泣き出しちゃって、1時間しても泣いていて、家に帰れなくなって、俺の部屋に来ても泣いていて、お前は【いいよっ】って、言ってくれたケド、何も出来なかった。ただ抱きしめて眠ったね。 俺、会社行って、帰った時、もう居ないと思ってた。 【ゆうべ抱かれてたら、帰って終わりにするツモりだった】って。 【抱っこされてて、安心して眠った】って。 【スゴク優しいチュウで涙が止まらなかったの】ってさ。 その後また泣かせちゃったね。 俺まで泣いて、初めてお前からキスしてくれた。 それから半年、日曜日にデートして、そのまま泊まって、デモお前はまだ、新潟に《忘れ物》していて、俺は気付かないフリしていた。 俺は本気で新潟に行くツモりだったんだよね。奴は空手の師範代らしいけど、気持ちで、負けるツモりなかったよ。 大喧嘩して、ツイ言っちゃって、お前はお泊りセット全部持って帰ったよね。 すぐに電話が来た時、俺は泣いてたんだよ。なのにお前は【猫、子猫が居るの。すぐに餌買って来て】だと? 負けたよ。完敗です。
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