神の逆鱗に触れたおにぎり

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春。抜けるような青に、薄桃色の吹雪が風に舞って吸い込まれていく。雀はチュンチュン鳴いて、なんとも気持ちのいい朝。そんな中。 ジリリリリリリー・・・・・リンッ・・・ 「・・・ぎぃやああぁぁぁ!!」 わたくし、遅刻まっしぐら。 ぬくぬくと誘惑を続ける布団を蹴り上げ、自己最短記録で服を着替えて、鞄を引っ掴み階段を駆け下りる。階下ではキッチンから顔を覗かせた母が私に気が付き、にっこりと笑顔を見せる。 「おはよう、実緒。」 「おかーさんっなんで起こしてくんなかったの!」 「あらら、まだ起きてなかったの?」 「目覚まし鳴ってたでしょ!」 「そういう音楽聴いてるんだと思ってー。」 「もうっ!」 いや、悪いのは起きなかった私だけど。でも気持ちよすぎる布団を用意してくれたお母さんの責任でもあるはず。いや、お客様相談室に文句言うべき?ってそんな場合じゃなくて。 キッチンにあったおにぎりを二個さらって、玄関へ猛ダッシュ。 「行ってきまっ!」 そしていつもの日常が始まるはずだった。 はずだったんだよ。
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