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それから間もなく、前方に十字路が見えてきたときだ。突然真っ黒な服を着た背の高い人物が、十字路の右側から現れた。
急なことで、しかもかなりの勢いで走ってきたため足が止まらない。
ぶぶぶぶつかる!
「ぎゃーそこの人どいてえぇぇ!!!」
「ん…!?」
ドガッ!!
直前に相手の方もあたしの存在に気づいたらしいけれど、すでに遅かった。
見事に衝突、反動であたしたちの体はシルクドゥソ○イユのサーカスのごとく、朝日が燦々と輝く中、華麗に宙を舞った。
ドサッ
「い゛っ…ぃいったー…
…くない…あれ?」
かなり吹っ飛んだはずなのに、あまり痛みはない。
不思議に思って反射的に閉じた瞼をゆっくりと開くと、なぜか目の前は真っ暗だった。
…もしかして…死んだ?
と、何か温もりに包まれていることに気がつく。
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