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長い長い校長の話を聞きながら、俺は校長が嫌いになった。
校長は眼鏡でハゲてて腹が出てて、しかも背が低くて。一番なりたくない大人の像だと思った。
生徒会長の挨拶の次に新入生代表の挨拶。何組か忘れたけど、女子がやってた。
さすが進学校の入試トップって感じの眼鏡で三つ編みの真面目そうなやつがやってた。
「なあ、後でアド交換しような。」
ノブが小声で言ってきたから俺とトノは一緒に頷いた。
入学式は滞りなく進んでいって、最後に生徒会と吹奏楽部の先輩たちが壇上で校歌を歌った。
そのなかにひときわ目立つ美人なナナ先輩がいた。
「あの真ん中の黒髪のストレートの人ちょー美人!!」
ノブが興奮したように言った。
『あれ、ナナ先輩っつうの。ダチの姉ちゃん。ダチってうちらのクラスの名簿一番のやつ。』
「あとで紹介しろよ。」
「俺にも!」
『わかった。』
歌が終わると入学式も閉式の挨拶となった。
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