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天の世界につくと周りには天使ばかり。
未熟な悪魔は辺りを見渡しました。
魔王様は天につくと直ぐに地へ帰ってしまいましたが未熟な悪魔は寂しくありませんでした。
なぜなら地の世界でも独りだったからです。
未熟な悪魔が一人でぼんやりしていると品がある天使が近付いてきました。
「今回の教官でございます」
ペコリと頭を下げる天使に未熟な悪魔は真似る様に頭を下げました。
ただ、未熟な悪魔の頭は地面にベッタリと触れていました。
天使は未熟な悪魔の肩を持ち起こしてあげました。
未熟な悪魔は気にするでもなく体を揺らし遊び始めました。
天使は気にせず世界各国の美術の美しさを未熟な悪魔に教えました。
未熟な悪魔は用意されたクレヨンで無意味な線を紙へ引き話を聞いていません。
天使は気にせず話を続けました。
三時間後天使の話は終わりました。
未熟な悪魔は終わったとクレヨンを口へ放り込みバリバリ噛み砕いています。
天使は気にせず未熟な悪魔に聞きました。
「空を見上げて何を感じますか?」
天使は空を見上げ問掛けます。
未熟な悪魔はポカンと空を見上げました。
そして
…そら
と一言漏らしました。
天使は意味が分からないと空を見上げます。
天使ならば空は美しい
悪魔ならば何も感じない
と答える筈だったからです。
未熟な悪魔は天使からクレヨンを貰うと地への間バリバリと噛み砕きながら帰っていきました。
中の国を眺めながら。
もちろんクレヨンを食べたせいでその後また腹痛に襲われたのはいうまでもありません。
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