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五日目
地の国での最後の勉強会になりました。
魔王様は未熟な悪魔を部屋に呼びました。
呼ばれた未熟な悪魔は緊張する様子を無くただボーとしていました。
魔王様はこれまでの未熟な悪魔育成シート報告書を振り返っていました。
報告書には馬鹿だのアホだと天地両方意見が揃っていました。
魔王様はシートを見つけ真剣に考えています。
未熟な悪魔は羽をパタつかせ浮かんでは落ち、浮かんでは落ちを繰り返して遊んでいました。
「…あくま。みじゅくなあくまよ。此方に来ないか?」
魔王様が手招くとトテトテ未熟な悪魔は魔王様に近付いていきました。
魔王様は未熟な悪魔を抱き上げ膝に乗せこう言いました。
「何か俺に聞きたい事はないかね?」
未熟な悪魔は首を傾けながらこう答えました。
魔王様は一人?他に魔王様がいる?
そんな事を聞かれるとは思っていなかったのか魔王様は困りました。
未熟な悪魔は続けてこう言いました。
一人だったらみじゅくなあくまと一緒。みじゅくなあくまも一人。
魔王様は未熟な悪魔を抱き締めました。
愛しさなのか切なさなのか
魔王様は自分が何を感じたか分かりませんでしたが、胸いっぱい暖かくなったのは分かりました。
未熟な悪魔は抱き締められたまま羽を動かしまた遊び始めました。
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