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両手を胸の辺りから這わせるように
徐々に持ち上げ痣に近づける。
面と向かってつけられた痕ではないので
一人では手首が一定以上曲がってくれず
一致させる事ができない。
仕方なしに手首を返し
親指が前にくるようにすると細い首は
指で出来た輪に包まれた。
触れているのに動脈の鼓動は
伝わってこない。
あの時と同じように
だけど今度は自分で
ゆっくり首を圧迫していく。
途中、ある異変に気がついた。
どれだけ力を込めても
麻酔をかけられている時の様にぼんやりと
感覚が消えていく。
苦しみも何処かへ消えていく。
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