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……か……………
…………す……て……
「ん……だれ?」
…………たすけて……
ピピピピピ…
「う、うーんっ…」
「も…もう後5時間……」
ピピピピピピ………
「うー……」
目覚ましって、なんで朝のまどろみという至高の贅沢が分からないんだろう…などと寝惚け頭でわけの分からない事を思いながら、布団の中で丸くくるまっていると…
ピピピピピピピピピッ……
「とっとと起きな」
目覚ましの音が消え、姉の静かだが、冷たい声とともに、私の布団がとりあげられた…
「ほら、とっとと起きなさい。さもないと、永遠の眠りにつかすわよ」
姉の非道な脅迫を無視することもできず、(昔、無視したら、マジで落とされかけた…)半分寝惚けながらも起きた……
「うー…おはよ…お姉…」半分恨みをこめながらも、私は、姉と朝の挨拶をかわした。
「おはよ。朝御飯出来てるから、覚めないうちに降りてきな。」
「……はぁーい……」
私は、のそのそと着替えをすませ、下の階に降りていった。
「おはよー、お母さん、お父さん」
私は、写真に写っている両親に朝の挨拶をし、食卓についた。
「あんた、今日卒業試験だろ。落ちんじゃないよ」
「わかってるよ……もぅ」
私、神薙星祢は魔法学校に通っていて、今日卒業試験があるんです。
私の両親や月乃姉さんは首席で卒業して、しかも姉は世界で5本の指に入るほどの魔法拳士……
姉を超える魔法使いになるために、今日の試験頑張らないと!
「星祢、妄想してないで学校行かないと遅刻するぞ」
「えっ!」
ふと時計を見ると、始業まで残り10分。
「ち、遅刻する~!い、行ってきま~す」
私はあわてて、家を飛び出した。
「……やれやれ、あんなんで今日の試験大丈夫なのかねぇ…」
月乃は、開けっぱなしのドアの向こうに広がる青い空を見ながら、呆れたようにつぶやいた。
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