平凡な世界

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「あっ、待てゴルァ!……アイツ、先に行っちまった」 「うーん……乗り心地は良いけど、ちょっと遅いね。ゾヌ、もうちょっと速くできる?」 これが悲劇の始まり。 「バウ!」 「うぇぶふ!?」 「ひぐ……キャー!」 ゾヌは、その短足からは想像もつかない程のスピードで走りだした。 「あ~~!? 速い~~!」 モナーとギコは風圧で頬の肉が揺れ、嫌でも笑顔かつ、不細工な表情になっている。 一方、しぃは……自身がよく入っている段ボール箱に入って、難なくこの風圧を耐えていた。そもそも、段ボールで防げるのだろうか?普通は無理だろう……。 そして、三十分程して、ギコ達が目的地に着く頃には、しぃ以外は、顔が何歳か老けていたとか。
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