平凡な世界

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「危なかった~……」 安心しきった様子で、しぃがふうと溜め息をつく。その後ろから、ギコが走り出した。 「くらえゴルァ!」 ズザザザ――。 ギコが地面を腹ばいで、凄いスピードで滑りながら、ゾヌへと向かい、 「ゴッ……ムグア……」 思いっ切り、ゾヌの腹へとめり込むようにして突っ込んだ。 その衝撃で、ゾヌは酸素を求めるが如く、口を開けて苦しみの声をあげた。 「あらよ!」 そこに、モララーが振った木槌がゾヌに当たる。が、しかし、 「グガ!? ガア!」 「な!? がは!」 ゾヌはその仕返しとばかりに、巨大な耳でモララーにカウンターをくらわせ、弾き飛ばす。 「モララー!?」 モナーがモララーの元へ駆け寄ろうとする。だが、それをモララーが手で止めた。 「ぐっ!……へっ、平気だ。それより、早くソイツを!」 「わかったモナ!モナー拳、『フラッシュボム』!」 飛び上がったモナーが、空中で手のひらに光の玉を発生させ、それをゾヌに投げる。 「グガ……ア」 モナーの手から放たれた球状の物体が、ゾヌの側で爆発し、ゾヌの動きが止まった。
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