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「終わったモナ」
「グガ……ガア……」
ゾヌの口から、黒い魂のようなものがフワリと浮かび上がり、消え、ドサリとゾヌはその場に倒れた。
その体の色は、ゆっくり元の茶色い色に戻っていった。
「ゾヌ!」
しぃが慌てて駆け寄り、ゾヌの体をユサユサと揺らした。
「キューン……」
ペロペロと少し弱った様子で、ゾヌはしぃを舐めた。
「良かった……」
舐められたしぃの目からは、ポロポロと涙が流れ出していた。
「うう……感動的に終わったモナ……」
「こ、この程度で泣いてんじゃねえぞ、ゴルァ」
自分の目をゴシゴシと擦って、ギコはモナーにそう言った。
確実に泣いていたのは、秘密だ。
「よし、出口はすぐそこだ。ゾヌには少し頑張ってもらって、ここから出」
その時、一瞬時間が止まった。
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