夢の中のキミ。

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おかしな夢をみた。 夢の中のボクとその人は、どうやら恋人同士らしい。 ボクは、肌寒い海岸をゆっくりと歩いている。 時計をチラリとみると、11時を少し回ったところだった。 小高い丘のほうから、彼女の声が聞こえる。 「ごめんね、待った?」 そう言いながら、駆け寄ってくる。 「いや…待ってないよ。いま来たとこ」 「そなの?よかった」 いつもの、やさしい笑顔をボクにみせた。 ボクは、彼女の笑顔をみるのが…つらかった。 「ごめんね…急に呼び出したりして…」 「いいよ…」 「あのね…」 「…行くんだろ?フランス…」 彼女は、ハッと驚いて、ボクを見るとすぐ、顔を俯かせた。 「あの人となら、お前は幸せになるよ…だから…行って来い」 ボクは、できるだけ笑顔で言った。 「あ…」 彼女が(ありがとう)と言いかけたところで目が覚めた。
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