7人が本棚に入れています
本棚に追加
学校が終わったあと、友だちの買い物につきあっていると、あたりがすっかり暗くなっていた。
「寒みぃ」
冷たい風が、顔に当たる。12月も半ばになり、すっかり辺りは、クリスマスモードだ。
家に帰る途中にある公園をのぞいてみると、男女デュオが路上ライブをやっていた。男性の心地よいギターの音色に合わせるように、女性が歌っている。
(けっこう…いい歌じゃん)
思わず、公園の中に入り、彼らの前で足を止める。しばらく聴いていると、後ろのほうから女性の声が聞こえてきた。
「すてきな歌声ですよね」
「うん…いやされるよね」
そう答えながら、振り向いたときだった。
【全身に電気が走ったよう】とは、まさにこのことだろう。
ゆうべ見た夢に出てきた女性が立っていた。ボクは、ア然としていた。
最初のコメントを投稿しよう!