山崎さんの小さな幸せ

3/4
前へ
/34ページ
次へ
む~… なんの本かは知らないけど 紙切れの集まりごときに 負けるなんて俺のプライドが許さないから 綾を少しいじめてやろうと思い シャキーン と自慢のクナイを構える。 するとそれに赤い物が付いているのを発見した。 すぐに分かった。         血だ。 俺はとりあえずクナイを拭くことにした。 血は好きだけど、こびりついて取れないのは嫌だからね~ ―――――――――…… 草木も眠る丑三つ時…(笑) みんな寝静まり虫の声も隊士達の声もなにも聞こえなくなった。 俺はクナイの手入れを 終えて、ごろごろしていた。 綾はずっと雑誌と睨めっこしたまま。 え…なんか超寂しいし~(笑 しびれをきらせた俺は綾に話しかける 「なぁ…『読めた!』……」 見事に失敗に終わった。 『あ、山崎さん…大人しかったですね』 「まぁね~俺は世界で一番優しいからね~ で、それなんなの?」 『あぁ、えっとですね…』 綾は手に持っていた本を置いて、 俺に近づき 俺の隣に腰を下ろした。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

188人が本棚に入れています
本棚に追加