第三章

2/10
前へ
/82ページ
次へ
 今その日の午後。過ごし安さに寝てしまいそうになる。 そんな天気。 「こら~、起きろ!」 何だか彼と彼女の立場が逆になっている気がする。 「それじゃ、先生やってる意味ないでしょ」 ゴメンゴメンと謝りながらもう一度問題へと向かう。 「そんなに勉強って楽しい?」 と少し不機嫌そうに泉に聞いて来る。 「勉強するために高校に入ったんだろ?これぐらいはやらないとね」 「ムゥ…勉強する気はあんまりなかったんだけどな…」 それでも何だかんだ言いながら勉強はしている。 「これ、どう解くの?」 と聞かれたときだった。 『ピカッ』 机に来ようとした舞と泉との間が光って何かが出てきた。 それは黒い球体で目が一つに短めの尾が下ら辺にちょこんとついていて、細い棒(たぶん腕)がついている生物だ。 「きゃー」 舞が悲鳴を上げた。 しかしそのような格好をしているだけだった。 というより音が全く聞こえなくなった。 外の車の音も、鉛筆で字を書く音も・・ 「きゃーとは失礼やな」 いきなりそいつがしゃべり出した。 何故か関西弁で喋っている・・・。
/82ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加