第三章

5/10
前へ
/82ページ
次へ
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+- 「わいらの世界をまわりの連中は『ディスクレパシィーソサイティー』と呼ぶ。 その名の通り闇の世界や。 魔物によって政治が行われている。 都には魔物が住み、村々では人間が作物を作っとる。 まぁ、あんたらの世界では江戸時代なような状況やな。 人間が農民、魔物が町人。 そして人間の払う食物でわいらは生きとる。 …わいらと言っていいのやろうか? まっ、その話は後。 野生の魔獣も動物と一緒に共存しとる」 舞が言い返した。 「それってひどくない? 差別を受けているのは人間だけじゃない」 「けどあんたらは他の生物に対して同等の権利を与えているんか? 森の生物の許可も取らずに森林を伐採し、空には大量の有毒ガスをまき散らしとる。 違うか?」 「まあ、そりゃそうかもしれないけど」 ひどいなんて言える立場ではないのかもしれない。 「そして、人間は自由を勝ち取るためにわいらを生み出した。 人工魔獣ちゅうやつや」 「「人工魔獣?」」 2人の声が重なる。 「それってすごくない?」 舞の顔は驚きに満ちあふれていた。  
/82ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加