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『第五ハッチ開けろ!各小隊、出撃準備!』
艦内で放送が響き渡る。ゲロモン守備の要、宇宙空母ケロスである。歩兵を50000人以上搭載し、火力に置いても圧倒的な強さを誇るこの艦はまさにケロン最大の宇宙船であった。
「まったく……ここに赴任して早々と戦闘になるとは……ついているのかいないのか……。」
出撃を間近に控え、武器の整備をしている時、ドムムは愚痴を言った。
「まあ、敵もロボットだ。退屈しのぎにはなるだろうよ。」
オルルが苦笑しながらそれに応える。
それとほぼ同時に、天井に設置されたスピーカーから放送が流れ始めた。
『各兵士へ。敵の主戦力は量産型ロボットであり、戦闘力は低い。だが、敵の数は500万を越える。敵の数に注意し、通常よりも背後を警戒せよ。』
放送には雑音も混じっており、かなり聞き取りにくい物ではあったが、ガルルはなんとかその内容を頭に入れた。
「500万か。そりゃまた多いな。まあいい。やれるだけやればいいだけだ。」
ドムムは静かに、銃に弾を込めながら言った。
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