月の夜に

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「見て~!月の凹みがまた変わったよ!」 1人の少年が煌々と輝く満月をゆび指しながら言っている 年は10歳くらいだろうか? 「また施設を造ったんだね。」 少年の父親が優しい口調で答えていた 「あそこに住むのかなぁ~?」 「どうだろうね~?まだ順番じゃないからもっと向こうの方じゃないかな?」 時は2309年 地球温暖化の影響を受けた地球は、大陸の約半分は砂漠化してしまい、残った大陸でさえ海水の上昇により海の底へと姿を変えてしまった 生物が育たない死の砂漠 人口は4分の1程しか残っておらず、月へと居住を求めて開発が進められ10億人程が今は住んでいる 「まだ月に行けないの?」 「偉い人やお金持ちから先に行くんだよ。ただの平凡な一般市民は最後なんだ。」 少年はふーんと鼻をならすと、 「地球を最初に出て行った人は偉い人なの?」 と首をかしげて言った 「世界大統領のシラニン大統領が最初なんだよ。」 世界大統領とは、温暖化で縮小してしまった為に国を1つにしようと考えられた制度 国の名前は付けずに統一した呼び名をもたらした 「シラニン大統領は地球が嫌いになったの?」 「なぜそう思うの?」
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