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ぼんやりして紫婀は目を見開いた。
「………っ!?」
「おぉ、気がついたかな」
凄く近くから男の声がした。
「えっ此処……は?」
どうやら馬に乗っているようだった。後の男に支えられた形で乗っていた。鎧を着ているらしく背中が硬い。
「そなたは村にいて黄巾賊を討伐していた。だが急に倒れ意識を手放してしまい勝手に連れて来てしまった」
紫婀はきょろりと目線を変えた。その男は優しそうな顔をしているが何かを秘めているような気がした。
馬の足音が不思議だった。隣にいる大きな男達に紫婀はびくりとした。その時手に刀が当たり、村でのことを思い出し紫婀は馬の首に顔を押し付けて泣き始めた。
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