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ここで聞き入れては駄目だ。しかし、心地よいのもたしか。
茜は、全身全霊の力を込めて一真を突き放す。
とはいえ、ハンターとして鍛えた体だ。他の女性などより数倍も腕力がある。一真つまり吸血鬼であるこいつに購うには、一苦労である。
「……、不服か?」
引きはがされた一真は、茜に問いながらも自身が不服そうな顔をしていた。
「ああ、不服だ。その妙に焦った感とか、このわざとらしいパンフレットとか特にな!というか、吸血鬼が、教会や神社っていいのか!?しまいには、色気のないプロポーズしやがって!」
怒る観点が違っているように感じたが、そこは気にしない。どっちにしろ、この結婚話はきな臭い。何かある絶対に。
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