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目覚めると奴はいなかった。
広い部屋、広いベッド。若干乱れているが白いシーツ。さわやかな朝。
なのにこんなにいらだつのは昨日も結局流されてしまったからだろう。
ベッドから起きあがると、近くにあったローブを羽織り、昨日のままテーブルに置かれたパンフレットを手に取り、水差しに入った水を飲む。
……しかし、なんなんだ。一体。
つい先日まで結婚やら華やらのことは一切口にしていなかった一真が、突然思い立ったとは思いがたい。
ならなぜ?
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