せっ、生徒会?

4/13
15人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
この聖春学院は部活動にちからを入れている学校で野球、サッカーといった運動部をはじめ美術部や吹奏楽なんかも結構有名な高校なのである。 湊はチラ見程度にそれらを見て、声を掛けられたら、「いや、いいです。」と言って軽くあしらっていた。 校門から校舎までそう遠くはなかったが勧誘を断りながら歩くとさすがに長く感じてしまうもので、下駄箱まで来るのにもちょっと疲れた。 「よっ!湊、なんか朝から疲れモードだねぇ~」 後ろから声がした、振り返るとそこには同級生の長瀬和樹が立っていた。 「おはよ、まったくどうせ部活説明やるんだから朝から勧誘なんてするなよなぁ~、あれじゃ下駄箱に着くにも大変だよ。勘弁してくれ。」 僕がそういうと和樹は笑いながら 「アッハッハッハ、同感。でも吹奏楽部にすごくかわいい子一人いたよなぁ?」 と言ってきたが僕は 「さぁ、知らないよ。そんなにちゃんと見てなかったし、興味無いから」 と軽く返した。そしたら横から 「ダメよっ!そんなんじゃ、もっとちゃんと見なきゃ。」 と楓がいきなり言ってきた。そういやずっと隣にいたんだっけ? 「うわっ、ひどっ、忘れてたんだ。言っとくけどあたしはず~っとあんたの隣にいたんだからね。あんたがズンズン前に進んで行くから着いて行くの大変だったんだから!」 楓はちゃんと怒った口調で僕に文句をぶつけてきた。 「教室おんなじなんだから別に着いてこなくても教室で合うんじゃないか?」 と言うと楓は顔を赤くして 「うるさい、うるさいっ!別にいいでしょ!」 と言い、「ふんっ」っとふてくされていた。 僕が和樹に「なんだよ、あれ?」と聞くと和樹は「わかってないなぁ~湊は。」と呆れ口調で返した。 なっ、なんだよまったく。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!