番外編*小さな(翔松視点)

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そんな時、事務所からイタリアでのロケで同行する筈のマネージャーが怪我をした、との連絡があった。全治には時間がかかりそうで、ロケまでには間に合いそうにないから他に代わりを探してくれないか とのこと。 「そんなこと言われても…。急に泊まりでなんて…あ」 居ない、と思ったが直ぐにその考えは取り消された。 (居るじゃないか、目の前に) 丁度、スケジュールなんかはもう既にマネージャーが作成してくれている。あとはその通り指示してくれたらいい。…日本だったらファンから守る、というのもマネージャーの仕事だったのだけれど幸いロケ地はイタリア…海外だ。そう騒ぎにはならないだろう。 「ハイ…あぁ、分かりました。じゃあ」 明良が家から外に出ていくのを見たことがない(勿論、買い物の時は出ていっているけれど) 一人で家に居てもつまらないだろう。 「頼む!」 そう必死に頼み込んだ末に、明良は承諾してくれた。例え仕事だとはいえ海外に行くのは変わりない。旅行みたいだ、と内心喜んでいた。 …そう、実際イタリアに着くまでは。  
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