第18話*ソレは意外にも早く

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そして現場に着いて、翔松の出るシーンの撮影が始まった。暫くして尿意がやってきたのでトイレに向かう途中に 「…なあ」 この切なげに俺を呼ぶ声の主が腕を掴んできて、俺たち(スタッフたち)の宿泊していうとある部屋に連れ込まれた、というワケだ。 「返事しろよ、明良」 (俺なんかのことを覚えてくれてるなんて)(嬉しいけど) 溢れそうになる。汚い嫉妬も激しい恋情も、思い出しては溢れそうになってしまう。 (俺の名前を呼ぶな、) 「人違いだと…思います」 「俺がお前を間違えるワケない!…どうしていなくなったんだよ、明良。」 やめて、そんなこといわないで。うれしくてうれしくて。かんちがいしてしまいそうになる。 「あき…」 「違うんだ!!何もかも!住む世界も、感じることも、何もかもが違うんだよ!」 知らぬ間に涙が頬を伝う。 泣くつもりなんて、ちっともなかったのに。 「…疲れたんだよ、もう」 「明良…」 「お願いだから、」 お願いだからもう (これ以上、君を、好きになんてなりたくないんだ)  
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