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「どうもー、お薬もってきましたー」
聞こえてきたのは、どこかふんわりした声。
「入っていいですよ」
「はい」という返事と同時に、扉がゆっくり開け放たれた。
「どうもー」
入ってきたのは、カイルと同じか、それ以下の少女だった。
腰まである亜麻色の髪と、同じ色の大きな瞳。
第一印象は、「妖精さん」。
「……あ、気がついたんですかー。私、看護士の千春といいますー」
ぺこりとおじぎをして、千春は微笑んだ。
「あ、こちらこそよろしくお願いします」
「じゃあ、ここにお薬置いときますねー」
再びぺこりとおじぎをして、千春は部屋を出ていった。
「……かわいいですね」
「……だろ?」
「……大変でしょうねぇ、俺と同じくらいの歳で仕事してるなんて。それも医療関係の」
「……は?」
カーティスが怪訝そうな顔をする。
「彼女、子持ちで既婚者だぞ?」
「……は?」
なんて言ってんだこの人は?
「ちなみに俺より年上だ」
「……へ?カーティスさんって」
「25だ」
「千春…さん、は」
「33」
「う、う、う……」
「どうした?痛むのか?」
「嘘だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
その日、ポッケ村に少年の咆哮が響き渡ったーーーーーー
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