Episode 01:十字傷

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「どうもー、お薬もってきましたー」  聞こえてきたのは、どこかふんわりした声。 「入っていいですよ」  「はい」という返事と同時に、扉がゆっくり開け放たれた。 「どうもー」  入ってきたのは、カイルと同じか、それ以下の少女だった。  腰まである亜麻色の髪と、同じ色の大きな瞳。  第一印象は、「妖精さん」。 「……あ、気がついたんですかー。私、看護士の千春といいますー」  ぺこりとおじぎをして、千春は微笑んだ。 「あ、こちらこそよろしくお願いします」 「じゃあ、ここにお薬置いときますねー」  再びぺこりとおじぎをして、千春は部屋を出ていった。 「……かわいいですね」 「……だろ?」 「……大変でしょうねぇ、俺と同じくらいの歳で仕事してるなんて。それも医療関係の」 「……は?」  カーティスが怪訝そうな顔をする。 「彼女、子持ちで既婚者だぞ?」 「……は?」  なんて言ってんだこの人は? 「ちなみに俺より年上だ」 「……へ?カーティスさんって」 「25だ」 「千春…さん、は」 「33」 「う、う、う……」 「どうした?痛むのか?」 「嘘だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」  その日、ポッケ村に少年の咆哮が響き渡ったーーーーーー
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