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「いやぁ、それにしても」
村に居着いて数日、少しは動けるようになったのでココット村から送られてきた荷物の整理をしていたところ、突然カーティスが口を開いた。
「君、あの十字傷と戦ってよく生きてたな」
「十字傷?……あの飛竜のことですか」
カイルは数日前に戦ったあの飛竜の事を思い出した。
「そうだ」
「なんなんですか、あれは」
カーティスの顔が途端に険しくなる。
「轟竜。轟竜、ティガレックス」
「轟竜…、ティガ、レックス」
カーティスは煙草をポケットから出し、くわえながら言った。
「最近、発見された新種の飛竜だ。まあ、飛竜といっても実際は古龍と飛竜のちょうど中間あたりなんだがな。……詳しい事は俺にもわからん」
煙草に火をつける。
「あれには手を出しちゃいかん。普通のティガレックスならともかく……」
「普通の?」
「君が戦ったティガレックスはーーーーーー」
ゆっくりと煙を吐き出す。
「普通じゃない」
「どう違うんです」
再び煙草を吸い、煙を吐き出す。
「十字傷はーーーーーー突然変異種だ」
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