病気の正体……

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   そんな、ピーンと張り詰めた狭い診察室で、医師は静かに 話始めました 「前回の検査の結果ですが…… 『膿疱性乾癬』(ノウホウセイカンセン)で間違いないと思います」 神妙な面持ちで、ゆっくりとそう呟く目の前の医師 私にとって、この病名は未だかつて聞いたこともないものだった。 皮膚科の医師の説明の後、茫然(ボウゼン)としたままの状態で小児科へと戻る 皮膚科に行く前に小児科で採取した血液検査 戻った時には既に検査結果がでていて、小児科の医師からも病状を聞くことになった 血液検査の結果は、炎症反応が異常に高く…… 機械では振り切ってしまって、 はかりきれないほど炎症の度合いが上がっているという また、白血球の数値も同じく 尋常では無いほどに高すぎる 皮膚の状態も一週間前と比べて かなりの悪化がみられていた ハルの体は全体的に赤くタダレ かろうじて通常の肌色が見える程度 皮膚は湿疹と湿疹とが重なり合い、全身火傷のような酷い状態になっていた その湿疹を囲む様にできた膿疱 (水膨れ)も、数え切れないほど至る所に無数に広がり、現れていた 痛々しい位に真っ赤な体…… 余りにも可哀想で目を背けたくなる程、それはもう見るからに悲惨な状態だった 通常、皮膚と云うのは外部からの刺激から体を守るバリアのような役目を担っている けれどハルの場合、そのバリアをする筈の皮膚がタダレ、 赤く剥けてしまう事により体の水分がそこから蒸発して抜けしまう その為、重度の脱水状態も合わさり…… ハルは緊急で即入院となった ,
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