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息子が産まれたのは4月も末
ここ北海道で、寒さの余韻が残る中、元気よく産声をあげた
「元気な男の子ですよ」
そんな看護師さんの言葉の中、
無事にこの世に産み落とせたという気持ちと……
10ヶ月間、待に待った愛しい我が子にようやくご対面できたのだという幸福感でいっぱいの中
『産まれてきてくれてありがとう』
そう私は、小さな我が子をこの胸に抱いたのだった。
そうして家族、全員から祝福をされ産まれた息子に
親として初めての贈り物
誰もが厳しい冬の中、柔らかな
『春』に想いを馳せ、待ち焦がれる様に――――
総てが芽吹く春の様に温かく
皆を包み込む様な優しさで誰からも愛されますように
そんな願いを込めて……
『 ハル 』
―――と、命名したのでした
そうして出生後、初めてする検査をなんなくクリア!
その“時点”では、いたって
健康な子供だった
ミルクもたくさん飲めたし、
弱々しいながらも、よく泣く
よく眠って、出るものもよく出る
本当に普通の赤ちゃんと同じだった
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