迫りくる病

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やっと退院の日。 『このまま何も起きなければまた普段通りの生活が出来ますよ』と医師は言ってくれたそうです。 でも運命は残酷なもので、ある夜私は〝けいれん発作〟を引き起こしてしまいました。当然ながら家族みんなは深い眠りに就いていたので気付くはずが無く、私はそのまま意識を失ってしまい、そのまま朝を迎えました。 いつも通りの朝…変わらない日常。 でも一つだけ違っていたのは…。 母はいつも通り私達3姉妹を起こしました。けれど私だけはどんなに呼び掛けても起きない…。 そのうち顔色も悪くなって急いで救急車を呼び、病院に運ばれました。 病名は…〝てんかん〟 これもまた年に1~2人の割合で発病する病らしく、私の場合は〝脳炎脳症〟による後遺症でした。 『ごめんね…もっと早く起きれれば良かったね?もっと早く…』 …母の日記より。 『ごめんね』ばかりの母の日記。私はその度に胸が締め付けられました。
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