迫りくる病

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私は奇跡的に意識を取り戻しました。ですが、しばらくは左手足が動かなかったそうです。 『このままでは左半身マヒになる可能性がある』と医師に言われましたが、ある日! 左手足が少しずつ動いたのです。小さいながらも「動かしてやる!」という見えない根性があったからかもしれません。 『左半身が動いた』からといって、すぐに退院が決まった訳ではありません。 私にはまた定期的にやるMRI検査が待ち構えていました。検査の結果、やはり『左脳に異常がある』と診断されました。 覚悟はしていたけれどまさか本当に異常があるなんて母は思ってもみなかったそうです。 ベッドの中で無邪気に笑う私を見ては『ごめんね…小さいのに、こんな病気背負わせて…。お母さん、母親失格だね?』…と日記に綴っていました。 この頃の私は母にオシメを替えてもらう時は必ず「お母さん嫌い~!!」と嫌がっていたそうです。 でも看護師さんや父となると途端に笑顔になっていたそうです。 それを見て母は 『お母さんの心の声があなたに伝わってしまったのかな?』と責めていました。 この頃の私は母をとても困らせていました。
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