~サイアクな日~

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「…どっか行きなさいよ!!」   私は叫んだ ……聞いてくれるハズ…ないか…。   私…マナ・クラウディアは…今、おもいっきりヤバイ状況の真っ只中…。   「ウゥゥゥ…」   その「ヤバイ状況」の元凶が低い声で唸っている。   …リザードウルフ…それも5匹…。   骨格は狼、なのにその体は毛皮のかわりに緑色の鱗で覆われている魔物、ちなみにかなり狂暴…。 そんな奴らが、今にもとびかかってきそうな姿勢でこちらを睨んでいる。 更にヤバイ事に…私は一人…しかも私は…   「…呪文唱える隙なんか…くれないよね…多分…」   そう…、私は「魔法使い」なのだ…。…丈夫な鎧を着ているわけではないから、防御能力に乏しく、呪文を唱えている間は隙だらけ…。   …絶体絶命…って感じ…   逃げようにも、野生動物に足の速さで勝てるような自信はない…。   逃げ切れたとしても、ここはだだっ広い平原で、隠れられるところもなく、助けてくれる人もいない。   「…本当…サイアク…」
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