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「………」
僕は、マナが寝ているのを確認すると、そっと…ベッドから起き上がり外に出た。
夜空を見上げる。
深くて濃い闇色、真珠のような月、キラキラ瞬く星…。
すごく落ち着く…。
どうして、人間さん達は、こんなに静かで、優しく包んでくれる時間を、邪悪だと言い初めてしまったんだろう…?
…やっぱり…あの時から…
「ナハト様…?」
…っ!?
ぼんやりと考え事をしていた僕は、少しびっくりして振り返った。
「…どうかなさいましたか?」
「…ヴァイスかぁ…驚かさないでよ?」
そこにいたのは、子犬くらいの大きさの、金色の目と黒い体の竜。
「今日は、ご連絡をしに来ました。」
ヴァイスはその場に座り、恭しく頭を下げた後、かなり丁寧な口調で話し始めた。
ヴァイスはいつも礼儀正しい。たまには、くだけた口調で話してくれてもいいのにな、と思う。
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