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月曜日、いつも通りの朝。
身支度を整えた僕は、朝食の席に着く。
真向かいには、眩しいほどの陽光を背に、尾崎崇宏さんが座っている。
変わらない朝の風景。
変わらない日常の始まり。
そう・・・もうすぐ目の前のあなたがいなくなること以外―――。
「立花、もう一度だけ聞く、一緒にこないか?」
少しだけ辛そうに、だけどどこか吹っ切れた表情で、尾崎さんは僕に尋ねた。
「いいえ、僕はここ(日本)であなたを待っています」
旅立ちまであと僅か。
不思議と悲壮感はない。
気持ちは凪いでいる。
そうして僕は閉じた世界の扉を開く。
尾崎さんのいない時間(とき)の中へ、新たな一歩を踏み出すために。
『・・・待っています』
(例えあなたが帰ってこなくても)
・・・一週間だけの永遠が終わる。
完
2007.11.07
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