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「貴様は何を言っているんだ」
「…!?」
ヅラは俺をジッと真剣に見、口を開いた。
「お前がいたから死ぬ同志もこれだけですんだ」
ヅラは口を止める事なく俺に言った。
「お前があの時…俺に生きろと言ったから、俺はあの時死なずにここにいる…」
「………ッ…」
俺はハッと息を飲んだ。
「死んだ同志をそういう風に考えてしまうのは生き残ったやつ全員同じだ。」
ヅラは立ち上がり空を見ながら続けた。
「…しかし違うのは、死んだ同志の事をずっと背中に背負い、死ぬまで何もせず生きてゆくのか。それとも死んだ同志の分まで一生懸命悔いの残らない人生を生きるのかではないのか?」
俺は目を見開いた。
「俺は生きるのであれば仲間の分も無駄にせず生きていきたい…銀時、お前は違うのか…?」
-仲間の分も生きる…-
今の言葉で心の中俺の足にしがみついていた仲間がスッと消えたような気がした…
ヅラの言葉に励まされるなんて…でも何故か思わず笑みが零れた。
「クスッ…ヅラ…お前よくんな臭いセリフ言えんなァ」
「何ッ!?臭いとはなんだ。銀時のために言ったのではないか」
不機嫌そうにこちらを見ている。
「…まァ、でもお前のおかげで目が覚めたわ」
「銀時の人生は終わったわけではあるまい。悔いの残らないように生きることだ…」
ヅラはその言葉を残すと帰っていった…
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