音の無い部屋

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私ははっと気が付いた… どうやら意識を失っていたらしい。 それにしても不快な感覚である…   目の前が暗闇である… 手も足も動かない… どうやら堅く頑丈に作られた椅子の上に縛られ、頭に袋のようなモノを被せさせられている。 私は覚醒したばかりのボ~っとした頭でモノを冷静に考えているつもりであったが… 意識がハッキリとしていくうちに、不快さが恐怖に変わっていった!! すると一気に恐怖感が最高点にたっした!! 「ん~!!ん~!!んん!!」 声すら出ない!!口を手拭いの様なモノで縛られている!! 私は必死で抵抗した!! 動かぬ手足をバタバタさせ、出ぬ声を必死に叫び続けた!! 私が必死に抵抗する音… 締め付けられた私の声!! ギリギリと軋む私の縛られた手足!! そして私の鼓動!! その音だけが自分の耳の中に入って来た!! 相当な重量で有ろうその椅子がガタガタと激しい音を鳴らす!! 私は必死でもがき続けた… どのくらいもがき続けただろうか… 一時間か… いや…10分か… 私は抵抗を止めた… 暴れた手足に疲労感が漂い 爆発しそうな鼓動の音も静かになってきた 激しく抵抗した熱くなった顔から汗がにじみ出たのが解った… すると私は「シーン…」という音が聞こえて来そうな程、静かな暗闇の部屋にいる事に気付く。 私は音の無い部屋にいた…
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