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君が好きです
君が好きな色は君に似合う色です
君の好きな歌は君に似合う歌です
君の好きな料理は君に似合う料理です
君は笑顔が素敵で
君の声は僕を癒してくれて
君のひたむきさにはいつも励まされます
君の抱える痛みや苦しみ憎しみや後悔
君が直面している問題や君が僕に漏らす嗚咽は
僕にしか理解できないんです
君の体を彩る血の色はどこまでも透き通り光る赤色
君の心は泥のよりも鈍黒く赤いのです
でも安心して
君を受け入れる僕は
君と同じだけ赤いです
君は強くも脆く
君は僕にそのお腹を触らせてくれて僕だけがいつでも爪を立てられます
まるで君は僕の掌で躍る四肢のない希望
ふふ..違うね
僕はちゃんと大人だから
君が僕のものではないことも
君を壊せたとして
それが所有するという事じゃないこともちゃんとわかっています
でも..
僕の表面張力は次第に力を無くし水としての役目を終え
いつしか白濁に澱んだその水が君への敬意や自制心との狭間で揺れ泡立ち
飽和した感情の中で新しい可能性とわかりきった結果 そしてそれすら君が喜んでくれるような淡い淡い期待を生み育てるのです
君がわかるのは僕だけだよ
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