一輪花

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日常に一輪だけが綻(ほころ)ぶ。 ――それは幸福の一輪花。 花は鮮やかに己が姿を誇示し、 私の心を満たす。 人は云う、 ――たかが一輪の花ではないか。 私はその一輪だからこそ愛しい。 何の変哲もない私の日常を、 花はその命の輝きでもって変えてくれた。 変わらない日常の中で、埋もれ、足掻いていた私を、 寄り添って満たしてくれた。 人にはその一輪花の重みは知り得ない。 私だけが知り得る花園に、 ただそっと咲いているだけ。 私の瞳だけが、 一輪花の存在を知っている。
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