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仮想戦国高校の先生の朝は早い。
職員会議、生徒の指導についての話し合い、授業の準備。
まぁ、ここまでは普通の高校と一緒だ。
違うのは―
「今日もやるのか」
金髪碧眼の男性が溜め息をつく。
ちなみにこの男性、英語と数学の教師をしている。
「まぁ、毎朝やさかい。仕方ないんちゃうか?由羅。伝統や言うし」
関西弁で喋ったのは、男性…由羅の隣りにいた女性。
この女性は国語教師だ。
「しかし炙鵺、伝統といっても毎朝やるか普通。私としてはごめんだ」
炙鵺と呼ばれた女性はまぁまぁと由羅の肩を叩くだけだった。
「皆そろっているようじゃな」
そう言って出てきたのは、白い髭を長く伸ばしたおじいさん。
赤い服を着ているため、どうしてもサ〇タ〇ロ〇スに見える。
このおじいさん、95歳で校長をしている。
定年だろとかそういうのは、置いておいてもらいたい。
元気なおじいちゃんなのです!
「校長~。何で毎朝毎朝あんなことしなきゃなんないんです?」
教員が問う。
「それは「伝統だからです」
師走校長を遮ったのは、女性の言葉。
「霜月副校長…わしが「いい加減皆さん位置について下さい!」
またも遮って霜月が言う。
「アンタのとこの奥さん、相っ変わらずすごいな~」
ハハハと笑いながら言う炙鵺の視線の先には苦笑いの体育教師・雪月がいた。
「ほっとけ」
雪月は、そう言ってさっさと行ってしまった。
他の教員もゾロゾロと動きだす。
「さーて、今日は誰が勝つんやろか♪」
由羅を引っ張り炙鵺が呟いた。
「そんなこと知るか」
ボソッとこぼした由羅の言葉は炙鵺には届かなかったらしい。
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