何ごとにも動じない心を

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教員達が言っていたこと…それは、手加減無しの校内風紀勝負だ。 「何だそれ?」 と思われても仕方ない。言ってみれば『校内をよくしよう対決』だ。 しかし武器や殴る蹴るなどのことが許可されているため、風紀になっていない。しかも教員全員で一斉に行われるため、破損も激しい。つまりは、ただの戦闘だ。 そんな戦闘の約束事は一つ…瀕死にさせないこと。 後の授業に支障が出るという理由だ。 始まる時間は、決まって朝の五時。 何ともまぁ、朝早くからご苦労様です。 始まりの合図は笛の音だ。 ピィィイと鳴るかと思いきや、ボォォオオとホラ貝の音色を響かせ始まった。 「あの音どうにかなんねぇのか…?」 由羅の呟きを無視し、一斉にスタートした。 「我が校は少し堅くないですか?」 「いいえ!!もう少しキッチリした方がいい!」 などと意見が飛び交う。 「あー…どっちでも良いんじゃないですか?」 由羅が言う。走りながらなので他の教員は苦しそうだ。 「だからもっとこう!」 「いいえ!!ここはこうで!」 でも頑張る教師。 「どうでもいいが…何故私の周りでやるんですか!?!?」 由羅が叫んだ。 『貴方が一番だと思って!』(教師一同) 「そうですか(黒笑顔)」 スーツから水風船を取り出す由羅。 「Good night…」 そう言いながらそれを投げた。 途端に弾ける水風船。中からは水色の粉が出てきて宙を舞う。 ―バタバタッ 倒れていく教師達。眠っているようだ。 「講義完了です」 フゥッと息をつく由羅。 「ひゃ~…流石やなぁ。今度は何作ったん?」 どこからともなく炙鵺が来た。 「眠り薬を少々。他には人体に悪影響ばっかりで…」 困ったものですと由羅がこぼす。 「ん。人体に悪影響ば~っか起こすもん作っとる、由羅が困ったもんやから安心し」 ポンと由羅の肩に手を乗せ、炙鵺が言った。 「なんだお前等いたのか」 ストンと二人の前に着地し、雪月が言う。 「せっちゃんやないか。逃げてる最中か?」 「あぁ…しつこくて仕方がねぇ…」 心底嫌な顔をする雪月。
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