混濁の空

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夕立ち前の濁った空 あの兵士達を飲み込んだ濁流も こんな色をしていたのだろうか ちっぽけな祈りなど 銃を構えて立ち上がる天使の 支えにもなりはしない 僕は何を恨めますか 僕は何を嘆けますか 僕は何を斃せますか 今日も緋に染まる黄色い砂埃が 湿った風にさらわれて 混濁の空を泳いでゆく
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