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「第六小隊。応答せよ。……チッ…応答がない」
ノイズが響くのは所々崩れた廃ビルの中。
僅かに夜の光が射す廊下で、武装した青年達が銃を構えている。
彼らはトランシーバーを持った顔に傷のあるリーダーらしき青年を中心に辺りの様子を伺っていた。
「これで、残るは我らだけだな…クソッ…奴らの力がこんなにも強大だとは…」
眼鏡をかけた青年が床を蹴り、悔しがる。
「“ヤツ”はまだ来ないのか?」
眼鏡の青年を横目に、スキンヘッドの青年がリーダーの青年に尋ねる。
「…救援申請したのは約一時間前だ。そろそろ来るハズだが…それまで持ちこたえられれば…」
リーダーの青年が舌打ちしながら答えた。
暫くして青年達は銃を構え、覚悟したように互いに頷き合う。
暗がりの中、彼らは歩みを進める。
ぱき、ぱきと崩れた瓦礫を踏み締めながら。
闇にうごめく人間の敵を殺す為に
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