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なにかに引かれる様に、雅人の体は家の裏に向かった。
なにかが流れる音がした。
生い茂る草を掻き分けて、木の陰になった道無き道にゆっくりと足を進ませて行った。
少し歩いた時に、明るく広い所に出た。
なにかの音とは川の音だった。優しげなその川は、なにもかもを流してしまいそうな位壮絶で逞しかった。
雅人は、無意識に川に飛び込んだ。泳ぐのが好きな訳じゃない。寧ろ嫌いな方だったのに…
【落ち着く……】
川の水と一緒に泳いでそう雅人は思った。
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