59人が本棚に入れています
本棚に追加
/53ページ
ひらりひらひら 舞い踊る影
蒼ざめた闇 地獄蝶…
――――――――――――地獄蝶
満月がとても綺麗な夜、また何時もの事件がおきた。
「市丸隊長ッやっと見つけたっ!地獄蝶使ってサボりを伝えないで下さいよ!!」
三番隊に行く道、そこには月を眺めている市丸隊長の姿があった。
僕が来たのに気付き、手を振ってコッチに来る。
「えぇやん。地獄蝶って、伝言知らせるもんやし♪」
ニコニコ笑って僕の肩をバシバシ叩く。
「よくないです。あれは緊急の時に使えって総隊長に―――――…隊長?」
いきなり僕をキュウッと抱きしめる隊長。
…それは毎日なんだけど。
今日は何かが違う。
「イヅル…イヅル……愛しとる」
泣いているの…?
隊長の声は震えていた。どうしたのかはわからない…。
「…僕もです。だから…早く帰りましょ?」
隊長は僕から離れ、「せやね」と一言。
僕らは三番隊舎に帰った。
夜空は段々と雲が増え、満月が消えていた事も知らずに…
続
最初のコメントを投稿しよう!