「追跡」

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何度目かのこの文章をめくると、次のページにはかなり核心に近づく展開があ った。 「次は、ボーリング場です」 また自転車にまたがる。 この時点で彼女に俺の推測を告げるか迷ったが、表情を変えずに自転車をこぐ姿を振り返って、思いとどまる。 やはり彼女は苦手だ。何を考えているかわからない。 自転車から降り、何度か来たことのあるボーリング場に入る。 「プレイは?」 「ここでは店員に話を聞くだけのようです」 少し、やりたそうだった。 それを尻目にカウンターに向かう。 「ああ、多分わかりますよ」 師匠の名前を告げると、あっさりと調べてくれた。茶髪の若い店員だった。 客のプライバシーなどどうでもいい程度の教育しか受けていないのだろう。もっとも今はそれが有難かった。 しばらくすると、師匠の名前がプリントされたスコアが出てきた。日付は3日前で、午後2時。やはり。以前一緒にボーリングをやったとき、本名でエントリーしていたのを覚えていたのだ。 師匠のGの多いスコアなどどうでもいい。 俺と彼女の視線は、もう一人の名前に集中していた。   それはどうぶつの名前だった。 その通り、「ウサギ」という名前が師匠の横に並んでいた。
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