「追跡」

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ゲームセンターから感じていた引っ掛かりがほどけていく。 プリクラ、流行の雑貨屋、ネタ系の喫茶店。 まるきりデートコースじゃないか。 そして動物の名前でエントリーするなんて、若い女性と相場が決まっている。 俺は恐る恐る彼女の顔を盗み見たが、その表情からは心中を推し量ることは出来なかった。 師匠よりもGの多い「ウサギ」のスコアから、いやらしさのようなものを感じて、思わず目を逸らした。 なんとなく二人とも無言でゲームセンターを後にする。   心の準備が出来るまで次のページには行かないほうが良い。 本当に心の準備が要った。 そして俺は、天を仰いだ。 行けと? ラブホテルへ? 彼女をつれて? 迷いというより、腹立たしさだった。 そんな俺の混乱を知ってか知らずか、彼女は「次はどこ? 行きましょう」と言うのだ。 行き先を告げないまま、暗澹たる思いで自転車をこぐ。 ホテル街へ踏み入れた時点で、彼女もなにが起こっているかわかっただろう。 近くの駐輪場に自転車をとめて歩く。 彼女は黙ってついてくる。 その名前が、あまり下品ではなかったことなんて、なんの慰めにもならない。あっさりと見つけた看板の前で立ち止まって俺は真横に指を伸ばした。
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